二人でトイレへいってみると、確かに完成してました。
牧 |
「謎過ぎるが、本当に完成してる。……前と全く違うな」 |
仙 |
「梅園って木目好きなのかなぁ。こんな腰板貼りの壁にしちゃうなんてさー」 |
牧 |
「今度のトイレは手洗いが独立してるんだな。別に俺はトイレと一体型でもかまわんのだが」 |
仙 |
「全面リフォームだから今風のつくりにしたかったんじゃないの」 |
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牧 |
「わ。オート開閉かよ。別にそんな機能なくてもいいのに」 |
仙 |
「まだまだっすよ牧さん。こいつ、すんげー高級トイレだからめっちゃ高機能でね、
便座から立ち上がったらセンサーが座ってる時間の長さで大小を判断して
勝手に自動洗浄するんだって。流し忘れなんてしないから、それこそいらねー機能すよ」 |
牧 |
「お前、随分詳しいな」 |
仙 |
「まだまだ知ってるよ、FAXに書いてあったもん。ちなみにお値段 379,000円」 |
牧 |
「なっ!? 何でそんなバカ高いのに!?」 |
仙 |
「……の、ネオレストAH2Wに憧れて梅園が作ってみた、っていつものやつだから
大丈夫だよ。300円くらいなんじゃねーの?」 |
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牧 |
「なんだよもー、驚いちまったぜ。梅園って本当にわけわからん奴だよな……」 |
仙 |
「壁にあんの、棚? 牧さん開けてみて」 |
牧 |
「トイレットペーパー収納棚のようだ。なるほど、このペーパーホルダーだと予備置きできんもんな」 |
仙 |
「棚の上のって消臭剤? 爽やかな香りがするけど」 |
牧 |
「あぁ、そうだろ。消臭剤ってこんなとこに置くもんか? おかしくね?」 |
仙 |
「さあ……俺、そーいう置き場所とかセンスないからわかんねー」 |
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仙 |
「手洗い台も鏡も配置低いのは俺達がでかいせい?」 |
牧 |
「俺らの家のなんだから俺達に合わせてくれりゃ良かったのになぁ」 |
仙 |
「ホントに。ねぇ牧さん、ネオレストもどきに座ってみて」 |
牧 |
「えー…」 |
仙 |
「別にジーンズ脱いでとはいってないんだから渋んないでよ」(笑) |
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仙 |
「ん? 前よりやっぱトイレの高さ、けっこう高くなってる?」 |
牧 |
「あぁ。座りやすいし立ち上がりやすい。これは俺達に合わせてくれたんだな」 |
仙 |
「……じゃあ洗面台や鏡はわざとか。配置とかバランス考えたってこと?」 |
牧 |
「そうだろうな。……なんだか機能が色々あり過ぎて使いこなせなさそうだ」 |
仙 |
「いーよ、んなの普通にウォシュレット使えれば十分だもん」 |
牧 |
「いきなり宝の持ち腐れ宣言か」(笑) |
仙 |
「うん。けどまぁ、新しいってだけで気分いいよね。前より広いしさ」 |
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仙道が腕を伸ばして棚に入っている小物入れらしきものを取って蓋を開けてみました。
仙 |
「……」 |
牧
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「? 何入ってたんだ?」 |
仙 |
「……んー、牧さんには必要ない物」 |
牧 |
「何だよそれ?」 |
仙 |
「いーんだ、俺のだから牧さんは気にしないで。
…さて、俺はそろそろ晩飯の用意でもしようかな」 |
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トイレから仙道が出て行ってから、牧は気になって棚に戻された小物入れを開けてみました。
牧 |
(俺には必要ないって……あいつめ。わかんねーじゃねーか、俺が使うかもしんねーだろが。
……いや、ないか。こんなとこで仕掛けるなんて俺にはできん。
それにしても梅園は本当に女なのか? 前も似たようなことやってたよな。恥じらいってもんが
ないのかよ、余計なお世話ばかりしやがって。
…捨てとこうか。いやでも、こっそり見たとバレるのもなぁ。……けど、そのままにして後から
あいつに『期待してたんでしょ♪』とか言われんのもムカつく。どうしたらいいんだ……) |
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─── 二時間後 ──
仙 |
(……確かにこの広さなら、まだトイレが新しいうちに一回くらいは楽しんで
おくのも悪かないねぇ。梅園はそーいう余計な気だけは回るよなー…。
牧さんが中身見たら捨てそうだから、見られる前に早目にしかけようっと…) |
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小物入れには何が入っていたかは、皆さんのご想像通りです。ムフv
結局牧が中身を捨てたかどうかは、皆さんのご想像にお任せしまーす♪ (*^v^*)
* end *
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