立待月
作者:うのさららさん



試合終了後着替えをそそくさと済ませ、

体育館入り口で待つ牧さんのもとへ走る仙道君。

当然途中ファンや知り合いにあちこちでつかまり、一直線に進めない。

暗がりに立つ牧さんの姿が見えているのに、一向に近づけない。

「仙道、メシ食いに行かねー?」

「悪い、先約。」

「また女かよ?」

「ま、そんなところ。」

思わず笑みを浮かべて走る!

「あ、仙道さん、すみません、サイン・・・」

「ごめん、急いでるんだ。」

ファンと思しき愛らしい乙女にも愛想は欠かさず、

でも心中では少々うざく思いながら走る!

「牧さん、すみません、お待たせ!」

「いいのか?」と仙道が今振ってきた人々を見遣る。

「オレの優先順位の一番は牧さんですよ。」

「あ、あー・・・」

きっと顔を赤らめている、でも気づかない振りをして、

「オレ、腹へりました。」と促して駅へと向かう二人。

心の中ではスキップをしながら・・・

で、店で開口一番牧が言った言葉。

「おまえ、なんであそこでシュート打たなかった?」

そして、牧さんの説教は延々と続く。

それでも、懸命に話をする牧さんの顔を見つめにやける仙道君。

牧さんの話? 仙道君には馬耳東風。

心地よい音程だけが耳元を通り過ぎていく・・・






<おしまい>



うのさららさんのサイトの五周年祝いに伺いましたら、こんなに可愛いお話しを頂きましたv
男女問わすモテる仙道が牧一筋!!まさに梅園の大好物ワールドをありがとうございました♪

 


[ back ]