仙
|
「ね。勝負すんなら何か賭けましょーや。そうだ、勝った方が次のデート場所を選べるってのはどう?」 |
牧
|
「じゃあそれで」 |
仙
|
「え。随分あっさり了承するんすね。あんたも毎度野外バスケは飽きてたとか?」 |
牧
|
「なんだよお前、飽きてたのか? まだ四回目だぞ?」 |
仙
|
「や、飽きちゃいねーすけど。たまには映画や買い物とかもいーかなーって」 |
牧
|
「観たい映画や買いたい物でもあるのか?」 |
仙
|
「今はないけど、それは例えで。あんたはたまにはもっと恋人らしいデートしたいとかねーんすか?」 |
牧
|
「バスケをすればお前の調子やなんかが一発でわかる。恋人のことを把握できて、俺には有意義なデートだ」 |
仙
|
「そうなんだ……。 あ、ちなみにあんたが勝ったらどこを指定するの?」 |
牧
|
「去年隣の県にできた、えーと……名前は忘れたが、バスケ専用体育館がある施設だ」 |
仙
|
「あそこぉ?! 電車三本乗り継ぐんだよ? しかも行ったら絶対バスケやんでしょ?!」 |
牧
|
「そりゃそうだ。屋外に飽きてるようだから、屋内を考えてやったんだ。優しい恋人だなあ俺は」 |
仙
|
「ちょっとでも心動かされた俺がバカだった……。まったくもう、ホントにあんたバスケバカなんだから」 |
牧
|
「お前もだろうが。さ、やるぞ。早くお前の家でゆっくりもしたいからな」 |
仙 | 「!! そっすね!」 |