「そんなしけた面すんなよ」
「だって……あんた楽しみにしてくれてたのに」
「いいって。また行こうぜ。ラーメンなんて寒いほど美味いんだから」
「そうだけど。…………ん? またって、次もデートしてくれんすか?」
「あんだけ並ぶってことは相当美味いんだろ。なら、やっぱ一度は食っとかないと」
「すよね!! 次こそ絶対食ってやりましょう! 次、いつ頃会えます?」
「あれほど混まなくなるっていったら、半年後くらいか?」
「そんなぁ」
「ははは。冗談だ。だからその面やめろ。いい男が台無しだぞ」
「遊ばんで下さいよ。こちとら真剣でいっぱいいっぱいなんだから」



仙道が必死にアプローチしても、同性だしからかわれてると思い込んで相手にしてくれない牧。
でも「隠れた名店のラーメン屋を教えてもらったんで、一緒に行きませんか」と、
一生懸命に言う様子にほだされ、デート(牧は一緒に飯を食うだけのことと思っている)をすることに。
行ってみたら店の外には長蛇の列。しかも列の最後尾に並ぼうとした人に店の人が、
今日はこの方たちで最後なのでまたご来店下さいという話をしているのを見てしまう。
漏れ聞こえた話では、昨日テレビで取り上げられたせいか、突然の大繁盛で店はてんやわんやだと。
それで牧が「別のとこで何か食おうぜ」と、ショックで棒立ちの仙道を連れだした……というシチュ。
もうここまでシチュが細かくて長いとSS一本書けるよね(笑) 

しょげている仙道が面白いやら可愛いやらで、実はちょっと惹かれだしている牧は、
別にそれほどその店のラーメンを食べたわけじゃないのに次会う約束をしちゃうのでした。
仙道はといえば、あの店の混雑が一段落つく頃までは、それを理由にデートに引っ張り出せると
内心ガッツポーズかましております。頑張れ仙道、意識してもらうまではまだ遠いぞ!(笑)

背景は先週撮った公園の写真を加工加筆したもの。紅葉を見に行ったんだけど、まだちょっとでした。
仙道の服が初デートのわりにカジュアルなのは、気負った格好だと牧に警戒心を
抱かせてしまうかもしれないと、わざとです。初めて誘うのに成功したんだもの、色々考えただろうなと。

下書きを戯言コーナーにUPしたら、いいねをもらえてとても励みになって塗りはりきっちゃったv
(完成をここでUPしたので下書きは消しました) 早くUP出来たのは皆さんのおかげです。感謝v













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