「そろそろ帰る。コーヒーご馳走さん。美味かったよ」
 
(今夜じゃなければ、もう少しいれたんだが。残念だ)
「え。帰るのまだ早くないすか? 来てそんな経ってないすよ? もう少しくらい」
「いや、もう帰らないと。明日早いんだ」
 
(すまん、仙道。持ち帰り仕事があるのに寄っちまって……)
あ! 牛乳買っといたんです。牧さんカフェオレ好きでしたよね?
「ああ。でもコーヒー二杯もご馳走になったから、もういいよ」
 
(そんなに必死に止めてくれるな。あ。仙道の手が俺の肩に……あ〜帰りたくねえなぁ)
「そうだ、酒は? ビール冷えてますよ。つまみ作りますから、ちょっと飲みましょう!」
「だから……」
 
(ここで振り向いて顔見ちまったら、絶対終電逃す。あぁ、仙道が可愛いくて辛い……)



社会人設定。社食でよく顔を合わせるだけだったのが、少しずつ仲良くなっていった二人。
色々あって初めて牧を自宅へ呼ぶことに成功して浮かれる仙道と、今夜は持ち帰り仕事があるけど
仙道の誘いが嬉しくて断れなかった牧の、もう帰るまだ帰さないの攻防戦というシチュ。
牧は仙道の家に行きたくて、本当は残業で片付けるつもりだった仕事を自宅でやることにしたの。
でもそれを仙道に言えなくて大変なのでした。ポケットには仕事の入ったUSBが……。

薄緑の文字は牧の心の声です。仙道よ、あとひと押しかもしれないよ?(笑)
両片思いってどんな年齢やシチュでも美味しいですよね〜♪


背景はすみ朗様よりお借りして加工しました。













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