「波、おさまっちゃったね」
「あぁ。完全に凪いでる……。戻って夕方くらいにまた来るかな」
「……よいしょっと」
「何やってんだ? あんまり傾けたら前のめりに落ちるぞ?」
「うん。だから協力して?」
「何を……」

両手をボードについた仙道が長い首を下ろしてくる。
長いまつ毛が影を落とす目元と薄い唇が笑みを含んでゆっくりと近づいて、止まった。
唇が触れ合うのに足りない数センチのために、牧は背をのばした。




思いのほか冷えた感触に少したじろぐ。ずっと海に浸かっていた自分よりも余程冷たい。
自らの熱を分け与えるように牧は深く唇を合わせた。
じわりと唇を擦り合わせると、はざまからうかがうように仙道の舌が潜りこんでくる。
いつもの強引さとのあまりの違いに、思わず頬が緩んだ。







*  *  *  *  *  *


絵の上の部分のセリフやSSは梅園が書きましたが、
絵から下のSSはブルボンさんが『梅園さんのSSの続きを勝手に妄想してしまいました。』と
書き下ろして下さったものです! なんて嬉しくもありがたいことでしょうか!!
愛しい気持ちを重ねあうだけではなく、唇から体温をわけ与えたいという思いの尊さよ……!
ブルボンさん、短文ながら過不足の全くない、完成された美しい仙牧のSSをありがとうございましたv

志毛さんからネタ(アイデア?)をいただいて梅園が絵とオマケSSかき。
ブルボンさんが続きのSSを書いて下さって、オマケではなく完成されたSSになれたという。
三人の思いが連なって、とても立派な妄想連結列車が完成しましたよ!!
すっごく幸せで豪華な作品になりました。志毛さんブルボンさんありがとうございました!!

                                             (追記:2022年2月)








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