仙
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「牧さん、タイマー7分セットして〜」 |
牧
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「了解」 |
仙
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「皿とフォークの用意も頼んまーす」 |
牧
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「Yes, sir」 |
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牧
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「うわーすげー美味そう!! お前のナポリタン、すげー好きなんだよ〜」 |
仙
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「はい、粉チーズもよかったらどーぞ」 |
牧
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「いただきますっ」 |
仙
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「はいどーぞ」 |
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牧
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「ん〜〜美味いっ。なんでお前の味付けはこんなに胃袋にしみるかな。美味いよ」 |
仙
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「そりゃよかった。別に普通の作り方だと思うんだけどね。いや、普通より手抜きかも?」 |
牧
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「……なに作ってんだ?」 |
仙
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「卵サンド。卵使っちゃおうと思って、朝飯の時に多目に焼いておいたんだ」 |
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仙
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「でーきた。…ん? どうしたの?」 |
牧
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「あのさ……ナポリタン半分とサンドイッチ一個を交換しないか?」 |
仙
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「いーけど、卵しか具入ってないよ?」 |
牧
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「いいんだ」 |
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牧
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「やっぱりこれも美味い。バターの香りとマヨネーズの味付けがほの甘い卵にいい具合にあってる」 |
仙
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「あはは。牧さんの評価聞いてると、朝の残り物で作ったサンドイッチなのに、ホテルのサンドイッチみてぇ」 |
牧
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「……俺、お前の作る飯が一番好きだ。味付けも。お前の飯を食えると幸せになる」 |
仙
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「…!!」/// |
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仙
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「そ、そんな。や、あの。…あ、でも毎回同じ味付けにゃなんねーすよ? 計って作ってないし! 一期一会っつか」 |
牧
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「何を焦ってる? 味付けが毎回同じなんて無理だろ普通。店屋じゃあるまいし。そういう意味じゃないぞ?」 |
仙
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「そうだけどっ、わ、わかるけどっ。あんたがそんな顔して言うからさぁ、焦るっつか……照れるよ…」 |
牧
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「? どんな顔してるっていうんだ。あ、お前こぼしたぞ、今」 |
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食事を終えると牧が冷蔵庫から何か持ってきました。
牧
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「美味い飯のお礼……というつもりで昨夜作ったわけではないが。これならお前も食えるだろ」 |
仙
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「え。もしかしてティラミス!?」 |
牧
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「そう。甘さは控えめにしてある。先週あいつ(喫茶店の店主)に習ったんで、作ってみた。
マスカルポーネじゃなくクリームチーズで作れるから楽だったよ」 |
仙
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「食うの楽しみ〜♪ 牧さんバイトするようになってからスイーツの腕、上がったよね!」 |
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牧はココアの缶と茶こしももってきました。
牧
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「腕が上がったかは食ってから決めてくれ。…食う直前にもう一度、純ココアを振りかけるのがミソなんだと」 |
仙
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「へえ〜本格的。牧さんは食わねーの?」 |
牧
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「俺はいらん。お前、全然ナポリタン食わねぇから、俺ばっか昼飯食い過ぎた」 |
仙
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「……牧さん、さっきからココアけっこう零してるよ」 |
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牧
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「粉物の扱いはどうも難しいよな〜。零さずに扱えたためしがない」 |
仙
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「勝手にもらっちゃうよ。嬉しいなぁ、いっただきまーす♪」 |
牧
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「おう、好きなだけ食え。全部食ったっていいぞ。俺は作ってる時に味見をし過ぎて少々飽きた」 |
仙
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「んまーい♪ コクがあるのにくどくないし、甘さもちょうどいいよ! やばい、一気に半分ペロリかも。
やっぱ牧さんスイーツの腕上がったって! 俺、牧さんの作るスイーツが一番好きだ〜」 |
牧 |
「まだ三種類しか甘味なんて作れないんだが。ま、口にあってなによりだ」 |
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最近の仙道は料理を、牧はデザートを作るのに力を入れてます。
お互い相手が喜ぶのがなによりも嬉しい原動力なのです〜(*^v^*)。
* end *
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