仙
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「このゲーム流行ったよね〜。でも俺、忙しくて買いそびれてやったことないんだよ」 |
牧 |
「へぇ…。なんかこいつ、バッグ外したらやけに……可愛く見えてきた」 |
仙 |
「そりゃ良かった。このゲーム、牧さんも遊べるタイプのだと思うよ。一緒にやろ」 |
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仙 |
「牧さん、TVの電源入れて〜」 |
牧 |
「おう。あ、チャイム鳴った。何だこんな時間に?」 |
仙
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「俺! あ、電源やっぱ切っていーよ! 俺出てくる!」 |
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仙道が意気揚々と大きな荷物を抱えて居間へ戻ってきました。
牧 |
「随分デカイ荷物だな。Jokerから荷が届いた時を思い出させる」 |
仙 |
「まさにそれ。先日Jokerさんにクリスマスプレゼント何がいいって聞かれてさ。
牧さんには悪いけど、俺がリクエスト勝手に二人分しちゃったんだ」 |
牧 |
「別に悪かないよ。欲しい物はないから、リクエスト聞かれる方が困るくらいだ」 |
仙
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「丁度そんな話をしてたの思いだして勝手しちゃった。
けど両方あんたへのプレゼントだから。気に入るかどうかは、それこそ自信ないけどね」 |
牧 |
「両方俺の? どういうことだ?」 |
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仙
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「この新しい飛行機も抱き枕人形も全部牧さんへあげる。俺はどっちもいらないから」 |
牧
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「! ……これ、高校時代のお前じゃないか」 |
仙 |
「うん。Jokerさんに写真送って、マー君人形と同じメーカーに注文してもらったんだ」 |
牧
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「グラマンF-14トムキャットもお前が伝えたのか?」 |
仙 |
「牧さんが欲しがってそうな飛行機をJokerさんから教えてって頼まれたんで」 |
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牧
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「それで先日、飛行機図鑑で好きなのはどれか聞いてたのか…全く気付かなかった」 |
仙 |
「牧さんも俺がいない夜は、この仙道君を抱いて寝たらいーよ」 |
牧
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「こいつは可愛いが、俺は抱き枕を抱く習慣はないからなぁ……」 |
仙 |
「まあまあ、そう言わないで。使ってみたらけっこう楽かもしんないよ?」 |
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仙 |
「せっかくだから名前つけてよ」 |
牧
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「……じゃあ、“アキラ”」 |
仙 |
「え〜!? 俺がそう呼ばれたいのに、人形にそれはズルイ! ダメ、却下!」 |
牧 |
「なら…“ツンツン”。凄いなこの髪型を再現するなんて。おお、ふわふわしてる」 |
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何度か人形の髪をなでたあと、牧は片付けを仙道に頼むと席をはずしてしまいました。
仙
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(思ったより喜んでもらえなかったな……。マー君をよく俺の部屋から借りていくから、
てっきり欲しいのかなと思ったんだけど。はずしちゃったな) |
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片付け終えて飛行機を見ていると、牧がマー君を持ってきました。
仙 |
「牧さん、この飛行機、翼が動くよ」 |
牧 |
「良く出来てるな。F14はアメリカ海軍の防空用空母艦載機だから、主翼を畳めるんだよ。
そいつの最高速度はマッハ2.3。あっちのロッキードF-117は0.9で」 |
仙 |
「や、もう説明はいいっす、悪ぃけど聞いても覚えれねーから。
それよか、何で居間にマー君連れてきたの?」 |
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牧 |
「恋人のツンツンに早く会わせてやろうと思ってさ」 |
仙 |
「!?」 Σ(///) |
牧 |
「お前さ、ベッドにマー君置いてはいるが、抱き枕としては使ってないだろ?」 |
仙 |
「あー…まぁ、俺も抱き枕使う習慣が元々ねーから」 |
牧 |
「それならさ、こいつらはセットでどっかに飾っておかないか?」 |
仙 |
「いいっすよ、牧さんがそうしたいなら」 |
牧 |
「じゃ、決まり。良かったな、お前ら」 |
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牧 |
「飛行機も嬉しいが、ツンツンは一番気が利いたプレゼントだ」 |
仙 |
「あんま喜んでもらえたようには思えなかったんすけど?」 |
牧 |
「なに言ってる。あいつをお前のベッドから円満に追い出せて最高だ」 |
仙 |
「もしかしてあんた、マー君がいるの嫌だったとか?」 |
牧 |
「嫌に決まってる。何で俺の男のベッドに我がもの顔でいる奴を歓迎するんだよ」 |
仙 |
「!!」 |
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仙 |
「俺が他の女の子にチヤホヤされても牧さんちっとも妬いてくんないくせに、変なの〜」 |
牧 |
「バァカ。お前ほどのイイ男がモテないわけねーだろが。そんなのに一々妬いてたら身がもたん」 |
仙 |
「けどさぁ、彼女達は人形のマー君と違って積極的だと思うんだけど」 |
牧 |
「彼女らはお前のベッドには入れてもらえねぇだろ。
だから問題にもしてない。もういいだろ、少し黙れ。…キスもできん」 |
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顔中に降る沢山の優しいキスが、仙道には何よりも素敵なプレゼントに思えました。
仙 |
「…こんなに喜んでくれてるなんて思わなかった。スゲー嬉しい」 |
牧 |
「せっかく用意してもらって何だが、ケーキはあとにしないか?」 |
仙 |
「いっすよ、全然腹減ってねーし」 |
牧 |
「それなら邪魔者がいなくなったベッドへ行こう。
少々運動したって、まだクリスマスは終わらない」 |
仙 |
「いいね。きっとこいつらもギャラリーがいちゃ積もる話もできねぇだろうから、
少々と言わずゆっくり席を外してやろうよ」 |
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ぬいぐるみに本気でヤキモチを妬いていた牧(笑)
どこかズレてるそんなとこも仙道は愛しいと思うのでしょう♪
Wishing u a blessed Xmas ... Happy holidays and new year! (*^ー^*)
* end *
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