梅園の勝手なハチクロアニメ感想のコーナー(第一弾編)


私は何事も「原作一番!!」という人間でして、実を言えばアニメ化や映画化というのは正直「大変不要。余計なお世話」と思う人です。アニメ化になればグッズも出るし知名度も上がるけれど、それよりも作者が作り上げた世界が作者の手から離れることで、少しでも崩されるのが怖いのです。イメージを壊されるくらいならグッズも知名度もどうでもいいのです。好きな作品であればあるほどそう思うのを抑えられない、本当に頭の硬い奴であります。
なので、本当いいますとハチクロもアニメ化は嬉しくありませんでした。原作の絵からして、アニメには絶対向かない繊細さがありましたし、あの独特の空気感はアニメで表現できるものではないと思っていたからです。北海道ではハチクロは放映されないこともあり、見ないつもり(見ようがないともいう☆)でした。

それが、本州在住のお友達が大変親切にも録画されたDVDを貸して下さる話となり。その方もまた私と同じく大変なハチクロファンの方で、しかもアニメは良い出来だとおっしゃっていたので、借りてほぼ全話(未録画分がありましたので)見ました。お借りしたのを全部ですよ?このアニメ化反対な気持ちの私が一気にはまったのです。自分でも驚きでした。だってSDアニメなど、最初の一話をリアルタイムで見た時に、あまりのイメージ崩れやギャグのひっぱりすぎにがっかりしすぎて二話目からは見なかった私がですよ?(当時のアニメ技術では仕方が無かったんですけどね。後半はかなり良くなったというのもアニメ終了後知りました)
これはもう、一言だけでも私なりに記そうと思いまして。感想下手な私ですが、「梅園感想、いっきまーす!」(それ違うアニメだから☆)


正直に申します。大変アニメハチクロ、良かったです。
私が見て良かったと本気で思ったのは風景でした。原作ハチクロはキャラクターはもちろんのこと、風景描写が本当に素晴らしいのです。空・海・ビル・草・川・橋・家・観覧車…語りつくせないほど、原作は全ての人を包む景色を描いています。それはどれも欠けてはいけない完璧さでそこにあります。アニメ製作者サイドはそこをしっかり踏まえていてくれました。原作は白黒です。それで完璧なんです。
でも、アニメはそこに色と動きと音を実際に目で見れる形で与えてくれていました。夕暮れの影のゆらぎ。空に渡る雲のスピード。回る自転車の車輪。落ちてくる雨の速度。語りつくせないほど数々の素晴らしい、まさにハチクロの風景がそこにありました。キャラクターよりも風景を感じたくて見たと言っても過言はないほど、本当に美しかったです。
アニメ制作の技術的レベルが上がったからこそ出来たと言えましょうが、それ以上に製作者側の情熱があったからこその、最初から最後まで通しての徹底した景色へのこだわりだったのでないかと感じました。嬉しかったです本当に。

それと、アニメのテンポの良さもとても良かったです。ギャグのテンポというのはとても重要なもので、ひっぱってはいけないものだと私は思ってます。(その点は本当にアニメSD前半は可哀相で見ていられないものがありましたが…)
そこをしっかり踏まえ、繰り返しなど野暮なこともせず、ポンポンポンッとやってくれていて嬉しかったです。
逆に、ここはしっかり溜めてほしいと思う、雨の中でたたずむシーンや空を見上げるシーンなどなどはきっちり溜めてくれていました。過不足無く。これもまた嬉しかったです。

キャラクターはですね……。アニメでここまで頑張ったというのは伝わってきました。でもこればっかりは…ここが限界でしょう。土台、羽海野先生のキャラクターがアニメになれるつくりではないのですから。それでも色合いや動きなどからも情熱は伝わりましたから、これ以上何も申すつもりはないです。頑張ってくれてました。
声は…。これは私の勝手なイメージなのでなんとも申せませんが。でも申す。だって私の感想だもん(笑)
竹本君をもう少し爽やかじゃない声でやってほしかった…。これでは垢抜けすぎていて、青春キングらしさが出し切れないです。モノローグが多々出てくるのですが、竹本君の時だけ非常に違和感が抜けないままでした。はぐちゃんもなぁ…。はぐちゃんはきっと、私はどんな声であっても違和感は残ると思っていたから…。それでもまぁ、竹本君よりは…まぁまぁ…(苦笑)
逆に、キャラクターで本当に嬉しかったのは花本先生。大好きなんです私。だから声もあっていたし、動きも良くて出番も多く、これは大変意外なラッキーでした。リカさんや山田さんも良かったですよ。
真山君と森田さんは最初は馴染めなかったけど、途中から慣れてきました。声というのは読み手側のイメージが強い分、完全に合うほうが難しいものですから仕方が無いですね。

OP・ED共に音楽はかなり合っていました。一曲だけ、気持ちは分かるけどエンディングには向かないでしょう…と感じたのは、やっぱりTHE BAND HAS NO NANE(苦笑) 使い方が惜しかったですね。エンディングもスネオヘアーで通したら良かったのではないでしょうか。挿入歌はどれもけっこうあっていました。
これはちょっとなぁ…と感じた演出は。印象付けたい部分で何故か車輪が回るのですが、最初これ、全く意図がつかめずに「???」と謎に感じてました。アニメだから漫画のような「間」を作るのに苦労したのでしょうが…。気持ちは分かるけど…うーん(苦笑)

アニメのラストは丁度いい一区切りのところで終わっていて、なるほどといった感じでした。抜擢する話の選び方や構成もとてもよかったと思います。24話できちんとまとめていました。
羽海野先生はアニメ化はとても喜ばれており、逆に私のような原作一途ファンの反応が心配だったようで、大変申し訳なく感じてましたが、こんな私みたいな奴でも、アニメを見れて良かったと本気で思っているのですから、きっと大多数の人がアニメハチクロを楽しんだだろうし、これから見る人も楽しめると思いました。

ただ…。悲しいかな、日本のアニメDVDというのは大変高価なんですよね(涙) しかもこちら○川さんのとこはですね、大変高価なんですよ…三話しか入ってないのに初回限定版約五千円。いくら羽海野先生の描き下ろし特別外箱&初回限定封入特典付きとあっても、赤貧梅園、ご飯が食べられなくなってしまいます…(涙) かといって通常版で先生の描き下ろしがないならば購買意欲などがっくーんと落ちるわけで。 貧乏ですいませんといったしょっぱい気分でいっぱいです。
しょっぱいといえばですね、TV放映されないDVDオマケ特典で私の激ラブなローマイヤ先輩がご活躍の回が入るそうな。なんて汚い商売…おっと、口が滑りました。なんて商売上手なんでしょうか角○エンタテインメント。こんな赤貧梅園の財布からその巻だけでも購入させようという魂胆でしょうか。オイラに昼飯抜きで数ヶ月過ごせというのか?

なんてまあ、余談も書きましたが。本当に良かったです。ハチクロ大ファンさんも、特別そうでもない方も、総合的にこのアニメはとても良い出来だと思いますのでオススメします。私は見れて大変良かったですよー♪ 

そして。改めて言うまでもないですが「ハチミツとクローバー、原作は本当に素晴らしいので未読の方はぜひ買うべし!!」(笑)




 
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