そんな目で「また食べ物で遊んだわねこの人……!」と言わないでくれ


寒くなるとお菓子作りも楽しいですよね。
暑いと材料や生地の扱いが大変だったりするから、私は夏場は
お菓子作りはあまりしません。手芸も秋冬ならやる気も出る。
長〜い長〜い冬がまたしてもやってきてしまいました。
重い腰もよっこらしょと動いたところで。
さて、今回の新作は。タイトルの通り、お菓子です。
説明はあとまわし。まずは無駄に頑張った作品を見てやって下さいな。


☆…………☆…………☆…………☆…………☆…………☆


帰宅したらほとんどの家具がなくなっていました。
椅子とツリーだけが残された部屋は、無駄に声が響き淋しさを誘います。


「また何かさせる気だな、梅園は。まったく、何が届くやら」
「家具消えても驚かなくなっちゃったよね。今回はどんな巨大な物を作らされるんだろ」
「さぁ……予想もたたんよ俺には。軽作業ですむといいな」
「ホント。ま、それはおいといて。夜景、どこのか知らないけど綺麗っすね」
「ああ。ツリーとイルミネーションで、気分はクリスマスだ。まだ早いけど」


夜景で和んでいたところ、宅配業者が大きな荷を運び入れて去っていきました。


「でっけえお菓子の家!!」
「前のチョコレートの家より大きい…か?」
「うん。でも完成品だから、俺達が作る必要はなくて楽でいいね」
「そうだな。サンタが乗ってる。これが今年の梅園からのクリスマスプレゼントのようだな」




「巨大アポロチョコと巨大マーブルチョコの飾りと、この白い雪みたいなのは…何だろ?」
「ガチガチに硬いぞ。甘い…ただの砂糖細工だな」
「部屋中、クッキーの甘い香りでむせそうだね」


「梯子のクッキーだけでもけっこう重い。ズッシリくる。これは作れといわれたらコトだったな」
「ホントだよね、屋根なんて二人がかりで持ち上げないとダメそうだよ」
「これって食えるのか?」
「そりゃそーでしょ。あ! 家の中に星型のクッキーとマーブルチョコと人形みたいなのと手紙が」




「牧さんと俺の羊毛フェルト人形だ。へぇ、けっこう可愛いじゃん。コケシみたいで」
「手紙読むぞ。『Merry Xmas. ちょっと早いけど二人へクリスマスプレゼントです。このお菓子の家はHexenhaus(ヘクセンハウス)といって、グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」で登場する魔女の家です。ドイツやスイスのクリスマスの風物詩だそうですよ。童心にかえって楽しんでね。日持ちするからゆっくり食べて、お腹壊さないように。 P.S 食べる前に一度、人形を台に乗せてみてね』だってさ。
「ふーん。その童話は知ってるけど、ヘクセンハウスなんて言葉知らなかった」
「俺も。あ、このサンタも砂糖で出来てる。クリスマスケーキに乗ってるサンタのデカイ版だ」



「“台”ってどれのことを指すんだろう」
「これは皿……家が乗ってるのは“土台”だしねぇ」
「皿以外で置けそうな隙間なんてここくらいしかないよな」
「うん。あ、なんかピッタリ?」


♪You better watch out You better not cry
Better not pout I'm telling you why
Santa Claus is coming to town

突然クリスマスソングが流れだし、皿がゆっくりと回転し始めました。



「うわあ! なにこれ!? ビックリさせんなぁ!」
「どんな仕掛けになってんだよ!?」



♪He sees you when you're sleeping
He knows when you're awake
He knows if you've been bad or good
So be good for goodness sake!

『サンタが町にやってくる』の音楽と共にゆっくりと回転する家に、やっと二人は慣れてきました。


「多分、人形の重さが台部分に加わることでスイッチが入る仕掛けなんだろうな」
「皿の下にオルゴールみたいなのがあって、回転の動きで音楽がかかる、とか?」
「そんな気がする。お菓子の家がなくならないと皿の下を探ることはできんからわからんが」
「“食べる前に”ってのは重さが変わるからスイッチが入らなくなるからだよ、きっと」


♪ O! You better watch out!
You better not cry.
Better not pout, I'm telling you why.
Santa Claus is coming to town.
Santa Claus is coming to town.

音楽が終わるのと同時に回転が止まりました。


「ちょうど一曲で回転が止まるようになってるんだな。無駄にいい出来じゃないか」
「うん。家の裏側も見れたしね。もう人形どけていい?」
「おう。 …おい、なんで煙突に詰めてんだよ?」
「♪恋人はサンタクロース 背の高いサンタクロース って歌あるじゃん?」


「俺はあんたの、あんたは俺のサンタクロースだから、煙突に飾んのがいいかなと思って♪」
「ふーん…。ロマンチストの考えることはよくわからん。まぁ、好きにしたらいい」
「あ! もう食いだしてる。食いしん坊だな〜」
「こんなにあるんだから、早く食べださないと。ダメにすんのもったいないだろ」



「なら、俺は土台のクッキーから食うかな。…お。硬くて甘いけど、けっこう美味いよ」
「マーブルチョコは普通のマーブルと同じ味だ。サイズが違うだけで。美味い」
「週末にJokerさん呼んで食わせてあげようよ。余ったら人に配りまくろう。二人じゃ食いきれないもん」
「そうだな。あのさ…子供の頃、お菓子の家に行ってみたいとお前は思わなかったか?」
「思ったよ。子供共通のお約束だよね」
「だよな。なんか…忘れてた夢が叶ったような、楽しい気分だって言ったら笑うか?」
「全然。……Jokerさんが来るまでは飾りとか食って、なるべく原型眺めて楽しもうか」
「うん」




大人になっても。いえ、大人になったからこそ、
子供時代の夢が懐かしく、叶えてみたくなったりしますよねv
二人はクリスマスまで甘い甘い時間を過ごすことでしょう♪(*^v^*)


* end *


☆…………☆…………☆…………☆…………☆…………☆

今回はメルヘン&ノスタルジックにまとめてみました。
もちろんクリスマス編ではございません。
大人の男がメルヘンクリスマスじゃ淋しいので、
もう一回、クリスマスにDOLL更新しますよーん(^-^)

さて、ヘクセンハウスですが。作るのとても大変でした。
初めて作ったため、いびつさが目立ちますね。トホホ。
次はこうやればもう少しは…とも思いましたが、もう作りません(笑)
日記で作成過程を少し語ってますのでよかったらそちらもどうぞ。

大きさ比較用にiPodを置いてみました。一番小さい牧が5cmです。


けっこう大きい家でしょ。しかも日持ちがするようにしっかり
焼きあげてあるから、硬めのクッキー。食べ応えが異様にありそう。
数日飾ったら、あとはバッキバキに解体して会社オヤツに持っていきますわ。

そういえば。前回申してました牧の髪。ニス塗りなおしました。
やたらめったらペッカペカ…。中間がほしいところです。トホホ。
髪の毛もさることながら。もうはや、ヘッドの粗が気になりだしました。
「またヘッド作るのか、今よりマシなの作れるのか!?」と自問自答すると。
やっぱり同じようなのしか作れないような気がしてねぇ……。
そんなことより別の小物とか作りたいような。うーん…。

小物といえば、百均でとても素敵な椅子をゲットしたんですよ。
黒いデスクに合いそうな事務チェア的なやつ二脚。
事務チェア的なだけはあって、食卓テーブルには似合わない…。
「黒いデスク作るのか、二つも作れるのか!?」とこれまた自問自答。
設計図作りに切断・着色・組み立て…。作れなくはないだろうけど、
面倒な作業を二回もなど、短気な私には出来そうにない。かといって
一個だけあってもねぇ。うーんうーん…じ、時間と忍耐ギブミー。

などなど。アホなことばかり言い出すほど、
いただくMSM DOLL感想が嬉しかったりします。えへへ。
感想をいただくと続けるのが嬉しくなって、色々
やりたいことが湧いてきます。ありがたいことです〜v

ではでは、次回。先にも述べましたが、恐ろしいことに今月中。
クリスマスまでに更新しちゃうので、ちょっと待ってて下さいね〜(^▽^:)