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仙道が朝食を再開しても牧は戻ってきません。
仙 |
「まーきーさん、飯食いましょうよ〜」 |
牧 |
「……可愛いなぁ」 |
仙 |
「あとでじっくりまた見たらいいじゃん。ね」 |
牧 |
「そうだな、こいつも可愛いよ」 |
仙 |
「……ダメだ、聞いちゃいねぇ」 |
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置物をケースにしまったので朝食再開かと思いきや。
牧 |
「俺、ちょっと買物行って来る」 |
仙 |
「え? 飯は? つか、俺まだ食ってる途中なんすけど」 |
牧 |
「俺はもういい。お前はゆっくり食ってろよ」 |
仙 |
「えぇ〜? 俺も一緒に行きますよぅ」 |
牧 |
「いや、ちょっと色々一人で見たいから。じゃ、行って来る」 |
仙 |
「そんなぁ〜。……置いてかれたよ」 |
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〜 一 時 間 後 〜
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けっこうな大荷物をかかえて牧が帰宅しました。
仙 |
「おかえりなさーい。わぁ、色々買ってきたね〜」 |
牧 |
「うん。お前が前に欲しがってたやつも買ってきてやったぞ」 |
仙 |
「え? もしかしてあんな遠くの大型店まで行ってきてくれたの?」 |
牧 |
「ん……。まぁ、ついでだったから」 |
仙 |
「ついで……?」 |
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仙道は喜んで紙袋の中を覗きました。
仙 |
「わ! これって俺が食いたがってた高級ホットケーキミックスとメープルシロップじゃん! あ、こっちは高級卵とミルクだ!」 |
牧 |
「昼飯はホットケーキでもいいぞ」 |
仙 |
「おお〜楽しみ……って、牧さん何やってんの?」 |
牧 |
「簡易棚をつけている。これは賃貸の壁にもつけれる軽量設計棚なんだ」 |
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棚を設置して早速いただいた置物を並べはじめました。
牧 |
「こっちに親を配置して……ここに子供を……」 |
仙 |
「……牧さん、棚買いに行ってたんだ」 |
牧 |
「うん。この軽量タイプってのはなかなか売ってなくて数件まわったよ」 |
仙 |
「そんなにペンギン気に入っちゃったんだ」 |
牧 |
「こういうのは飾らないと。それにうちの壁は装飾がなくて殺風景だったしさ」 |
仙 |
「うん、まぁ、そうだけど」 |
仙道は内心、FAX台の上に飾ればいいじゃんと思ってます。
でもそれを言うと牧の機嫌を損ねるので黙ってます(笑)
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牧 |
「うーん……どうも俺は配置のセンスがいまいちだよなぁ」 |
仙 |
「なかなかいいと思うけど?」 |
牧 |
「子供を一羽、下の棚に置くべきか……」 |
仙 |
「その日の気分で並べ替えたらいーんじゃねーかな」 |
牧 |
「……そうだな」 |
テーブルの上の小物は後日たっぷり紹介しますからね〜♪
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ペンギンの位置を色々と変えては眺めています。
牧 |
「どうもここの間隔が微妙だよなぁ。棚が大きすぎたか?」 |
仙 |
「……牧さんペンギン好きだよね。そんなにペンギン可愛い?」 |
牧 |
「あぁ。凄く可愛い。歩き方は頼りないのに泳ぐと凄いスピードというのも好きだ」 |
仙 |
「水族館でも長く見てたよね、そういえば」 |
牧 |
「うん。黒と白のコントラストに薄い黄色のアクセントがなんとも洒落てるよな」 |
仙 |
「そーだね」 |
仙道の返事はおざなりですが、牧は全然気にもしてません(笑)
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ちっともこっちを見ない牧にちょっと淋しくなってしまった仙道。
あまりにペンギンを可愛いというので、ぷちジェラシー&対抗心がメラメラ。
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「牧さぁ〜ん、小さい仙道君ですよー」
牧 |
「うわ、何やってんだ気色悪!」 |
仙 |
「き、気色悪いってそんなぁ。ペンギン仙道君ですよ〜」 |
牧 |
「ペンギンっていうより、ピグモンみたいだ」 |
仙 |
「可愛い? ピグモン仙道君」 |
牧 |
「全然。さっさと脱げ。服がのびるぞ」 |
仙 |
「……チェ」 |
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また並べ替えている牧の背を仙道はロンリーな気分で見つめています。
牧 |
「……笑うどころか寒くなったぞ俺は。さっきのは寒いギャグは何だったんだよ」 |
仙 |
「なんか牧さん、小さいもんが好きみたいだから……俺も小さくなってみただけ」 |
牧 |
「バカかお前は。何もかもが小さいからといって可愛いわけじゃないだろうが」 |
仙 |
「そーだけどさー……」 |
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牧 |
「このペンギンは確かに、小さいのに精巧だから可愛い」 |
仙 |
「もうそれは分かりましたよーだ」 |
牧 |
「……だがな、190cmとでかくたって可愛い奴はいるだろ」 |
仙 |
「!?」 |
牧 |
「お前はそのままで十分可愛いんだから、余計なことはするな」 |
仙 |
「!!」 |
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その夜、「でかい俺も可愛がってねv」と、ベッドで仙道のデカくなったトコを
牧は無理やりたっぷり可愛がらなければならなくなった……かどうかは。
皆様のご想像にお任せしますv ラ〜ブラ〜ブラ〜ブvv
* end *
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