オマケの仙道カメラマンによるデジカメフォトアルバム



花火会場から遠い出店街が賑やかしい雰囲気を増してきた。
まだ花火は始まらないから、少しだけ二人で出店をひやかすことにした。

牧さんが熱心に型抜き屋の前で立ち止まって見ている。
やりたいのかと思って訊ねてみたら、
「俺にはこんな細かい作業は一生完成させられん」と笑った。

そう言いつつも長いこと見ていたから、本当はやりたいのかもしれない(笑)
あまりに可愛いからこっそり写真を撮ってしまった。

明るい場所で座っている牧さんの風情が良くて、
写真を撮らせてとお願いしたらかなり嫌がられた。

仕方がないので、浴衣を作ってくれたお礼に梅園へ浴衣着用の
写真を一枚くらいは送ってやろうと提案したら承知してくれた。

でも笑顔&カメラ目線の牧さんの写真をあんな奴にやるのは惜しい。
そうだ、FAXで送ってやろう。あいつん家のFAXは確か白黒受信だ♪
片づけ中の仙道がみれますよ。
花火が始まった。よく見える場所は当然人でごったがえしている。
俺も牧さんも人込みが嫌いだから、かなり離れたところへ移動した。

それでもけっこうよく見えた。

俺は浴衣を着て花火を見るのは初めてだ。
当然、浴衣を着た牧さんが花火を見てるとこを見るのも初めてだ。
花火を見るのは初めてじゃない。
となると、やっぱ初めての方ばかり見てしまう。

真面目に花火を見ている姿をこっそり離れて、急いで撮った。
急いだせいでちょっと手ぶれでボケてしまった。

慌てて戻ったけど、牧さんは俺の行動にちっとも気付いてなかった(笑)



帰りにまた同じ道を通って出店を少しゆっくり見て歩いた。
フラッペと平べったいお好み焼きみたいなのを食べた。

また牧さんが立ち止まったから何かと思ったら、財布が落ちていた。
牧さんは、「この近所に交番なんてあるかなぁ……」と、
拾う前から憂鬱そうに言った。はなから届ける気なのが牧さんらしい。

俺は、「わ〜、水色の大きい財布が落ちてますねえ」と
わざとらしくデカイ声を出してみた。
すると、慌てた顔で人の流れを逆走してきた50代くらいの男の人と
小学生くらいの女の子が走って戻ってきた。

俺達は何度もお礼を言われ、おまけに女の子から苺飴を二つもらった。
きっとお父さんと食べる分だったんだろう。

帰り道、二人で駐車場まで食べながら歩いた。
「俺は何もしてないのに……。飴を奪ってしまったようで申し訳ない」
なんて、困った顔で牧さんは言っていたけれど。
そのわりに、懐かしい味だとか美味しいとか言ってたから、
きっと苺飴は牧さんの好物に違いない。
自分から苺飴を買いたいとは言いにくかったのかもしれない、照れ屋だから。
来年はお祭りに来たら一番先に買ってあげようと思った。


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※背景の屋台写真は、「ヘタレ写真館。」様よりお借りして、加工して合成しました。

余談だけど、下駄を履いてる牧を見せたくてこんなアルバム作っちゃったのでした(照)