仙 |
「仔羊のローストでございます。ソースはエシャロットと赤ワインで作ったヴァンダール……違った。ヴァンルージュです。ソースはもっとたっぷりおかけしましょうか?」 |
牧 |
「……すっごいなこれ。まさか自分で作ったなんて言わねぇよな?」 |
仙 |
「そこは企業秘密でございます。あ、パンはおかわりもございますよ?」 |
牧 |
「エシャロットとバンルーなんとかって何だ?」 |
仙 |
「エシャロットは小さい玉ねぎで、ヴァンルージュは……ソースの名前です」 |
この食事と食器類、すっごく綺麗ですよね〜v
これはリーメントの三ツ星レストランというセット(350円くらい)です。
|
牧 |
「お前の分は?」 |
仙 |
「は?」 |
牧 |
「だからお前の分だよ。台所に残してあるのか?」 |
仙 |
「え……。いえ、肉はそれで全部ですけど」 |
牧 |
「お前はもう一人で晩飯食ってたんならいいよ。そうじゃないなら、これを一緒に食べよう」 |
仙 |
「いや、俺はいいっすよ」 |
|
|
牧 |
「何でだよ? 腹減るだろ?」 |
仙 |
「……わ、わたくしは給仕ですから、お客様に気を遣っていただかなくて結構ですので、どうぞお一人でお食事なさって下さい」 |
牧 |
「……さっき帰宅した時焦げ臭かったが、お前、もしかして」 |
仙 |
「お客様、料理が冷めます。お召し上がり下さい」 |
牧 |
「焦げなかった分を俺に全部出してくれたのか……」 |
|
|
|
仙 |
「あーもー! いいから食べてってば! なんだよもー。せっかく頑張ったのに。早く食べて感想聞かせてよ〜」 |
牧 |
「悪かった。じゃ、遠慮なくいただくよ。いただきます」 |
仙 |
「はい、どうぞ♪ あ、香草は無理して食べなくていいっすよ」 |
牧 |
「凄いな、本格的だ……」 |
ワイングラスには白ワインが入ってるとでも思って下さい。
本当は肉料理には赤ワインなんでしょうけど。だってワイン持ってないんだもん。
|
牧 |
「ナイフとフォークで骨付き肉食うの下手なんだよ……」 |
仙 |
「手で持ってガブッといっちゃっていっすよ。どうせ家なんだしさ。気兼ねなく食べれるのが家の良さでしょ」 |
牧 |
「そうだな。じゃぁお言葉に甘えて」 |
仙 |
「はい。……ね、美味い?」 |
牧 |
「うん。柔らかくて美味いよ。ソースもいい味だ」 |
仙 |
「良かった〜。実は焦がしたとこ削いだから、焦げ臭かったり硬くなってたら台無しだと思ってたんだ」 |
仙道、牧の食べてる顔をガン見。
仙道、肉より牧を食べたいと思ってる顔してますね(笑)
|
|
|
|
料理を食べ終える頃、仙道がデザートを手に戻ってきました。
牧 |
「おい、流石にそんなに食えないって」 |
仙 |
「パンは残していいですよ。デザートどうぞ」 |
牧 |
「え、いや、だって……パン、まだほのかにあったかいし……」 |
仙 |
「何遠慮してんすか。バニラアイスにフレッシュ苺たっぷりのせて、生クリームと苺ソースをかけたデザートなんですよ? パンとどっち食べたいの?」 |
牧 |
「……デザート下さい」 |
|
|
〜 食事も終えて30分後 〜
|
仙 |
「……ん? なんかいい臭い」 |
牧 |
「シェフ仙道さんへカツ丼一丁! お待たせしました〜ってな」 |
仙 |
「え!? 俺に飯作ってくれてたの?」 |
牧 |
「おう。お前晩飯まだなんだろ。昨日の惣菜の残りのカツで作った手抜きカツ丼だけど、食えよ」 |
仙道の読んでる雑誌のアップをぜひ見て下さいv
Lucaさんありがとう〜vv
|
|
仙 |
「すっげー嬉しい!! しかも美味しいよ!!」 |
牧 |
「そりゃ良かったな。……うーん、こんな布でエプロンとは考えるなぁ」 |
仙 |
「おお! 牧さん似合いますよ、可愛い〜v」 |
牧 |
「バカ言うな。お前がするとシェフだけど、俺がすると魚屋のおっちゃんだ」 |
仙 |
「んなこたないっすよ。マジ可愛いって!」 |
カツ丼のアップも見てね♪ これもリーメントのディスプレイシリーズです。
|
|
|
仙 |
「ごちそうさま……ありがとう」 |
牧 |
「こっちこそ、立派なディナーをありがとう」 |
仙 |
「ねぇ……デザートは?」 |
牧 |
「デザートまでは用意してなかったな」 |
仙 |
「じゃあさ、デザートより甘いのごちそうになっていい?」 |
牧 |
「……甘いかどうかは保証せんぞ」 |
|
仙 |
「ほんのり苺の香りする……」 |
牧 |
「さっき……食ったから」 |
仙 |
「春の味だね……」 |
牧 |
「…ん。……もう喋るな」 |
仙 |
「うん」 |
春は苺味のお菓子の新製品が出回ったりしますよね。
きっと仙道にとってとびきりの春の味覚だったことでしょう。ラ〜ブラ〜ブラ〜ブ(///)
……でも苺の旬って初夏のような?
* end *
|
|